エンド オブ エタニティ
SSのつもりです。ゲーム『エンド オブ エタニティ』本編の一部を小説風にしたもの。まだクリアしてない段階で書いたので設定等に食い違いがあるかも……。
こちらは、SSや本編の一部を小説っぽくしたものです。どこかしらにオリジナルな要素や独自の解釈が含まれています。ご注意ください。また、こちらの作品はメーカー様とは何の関係もありません。
-Prologue-
刻々と、時間は流れ続ける。
砂時計の砂と同じく、一度ひっくり返してしまえば、砂は下へと落ちるばかりだ。
例外はない。
この世界に存在する全てのものに、時間は流れ続ける。
それは私にも、言えることだ。
時計は逆さには廻らない。
それは覆すことの出来ない絶対のルール。
時を遡ることは不可能。止めることも出来ない。
残された時間は、僅かしかない。
私は、扉に手を掛けた。
ガタン――
扉は重々しい動作で開いた。途端に風が吹き付ける。
私は思わず、手で顔を覆った。私の黒い髪が踊るようにバタバタと、はためいている。
恐怖心がないわけではない。
だが、このまま消える恐怖と、今ここで消える恐怖、どちらが勝るか考えれば、足は自然に前へと進み出す。
結末は変わらない。ならば抗ってみせる。
どうせあと数秒で果てる命。ならば自らの意思で死んでみせる。
それこそが神へ……、神と呼ばれる何者かへの、唯一の抵抗手段だ。
細い鉄骨の上へ、私は身を乗り出した。
風が身体を左右へ揺らす。
私の首元からスカーフを引き離して、風は暴力的に吹き荒れている。
本当に怖いのは、死ぬことじゃない。
何かに死を操られているということだ。
私は屈しない。抗ってみせる。
鉄骨の中央に差し掛かったところで、私は歩みを止める。
もう必要ないからだ。
ここでいい。
ここからで、いい。
眼下には街並が広がっている。
催しのせいか随分と賑わっているようだ。
しかしそれも関係ない。
私の人生はここで終わる。
今ここで、終えてみせる。
風が、吹き付ける。
私はそれに、抗うことなく身を預ける。
手を広げ、目を閉じ、安らかに、飛ぶ。
そうして私の人生は、……終わるはずだった。