劫火のフラム 用語集

専門用語とルビばっかりでワケ分かんないよ! お前ら日本語しゃべれよ! 
……という方のためのページになります。

《あ行》
◆《金級魔導士(アウル・リアクター)》
・ランク71以上の魔導士の総称。『伝説に名を残す英雄』程度の力量。
お屋敷にメイドさんとか雇って暮らせるレベルです。王様からも何かとご指名いただいたりします。すごいね。
・【アウル】は【金:aurum(ラテン語)】から取りました。アウルムなのかオウラムなのか正しい読み方は分かりません。
絶対に余所では聞かない響きにしたかったんです。

◆《銀級魔導士(アルゼ・リアクター)》
・ランク41~70までの魔導士の総称。『地方で名を馳せる著名人』程度の力量。
このクラスまで上がっていると、生活は苦労しないと思います。ガッポリだぜ!
・【アルゼ】は【銀:argentum(ラテン語)】より拝借。厳密にはアルゲントゥムとか読むんだと思います。
アルゼのがかっこいいと思います!

◆ウェンディ=スコットニィ
ただのモブの予定が、いつの間にか名前まで出てきてしまいました。
完全に想定外です。
美人受付嬢。優秀だがどんなに鈍い人でも3日で変態だと気づくほどの逸材。
心性のドMであり、痛みや罵倒などで興奮する性質がある。
あまりにもアレな言動を、本人は隠しきれているつもりなのだが、実際にはみんなにバレていたりする。
フラムとは旅の最初の時点で出会っており、それからの付き合い。
フラムと出会った街は別の街。異動先を聞いていたため、フラムは彼女を頼りエルハイムへ赴いた。という側面もあったりする。
19歳。赤毛。髪は艶やかで長め。体格は細め。出るべきとこはほとんど出てないが、本人は気にしていない。
一見モテそうな顔立ちだが、やはり性格がアレすぎるため、まったくその気配がない。現在、優しく虐めてくれる彼氏を募集中。

◆詠唱
・魔導具を扱う際には、高い集中力が必要とされている。
その高い集中を維持するためにしばしば唱えられる文言が詠唱である。
様々なファンタジー作品で用いられている詠唱と大きく違うところは、詠唱が必ずしも必要というわけではないというところ。
極端な話、集中さえ出来てしまえば、詠唱そのものは必要ない。
だが、人の集中力というものは存外に途切れやすく、詠唱を破棄して術式を発動させるのは難しく、特に戦闘用の魔導具の扱いは非常に困難。
シアンは足を止めることで集中を高めており、フラムは特異体質のため、さほど集中せずとも魔導具を発動することができる。
二人が特殊すぎるのであって、通常の魔導士にとってはかなり身近に存在するものである。

◆詠唱破棄
・本来存在する詠唱を省いて術式を発動させる技法。
集中力を維持しづらいため、かなり格下の術式しか通常は扱えない。

◆《天灰》
・オーバードライヴ
無尽蔵に高まり続けた《気》が、肉体の許容量を超えて暴発を起こす現象のこと。
《先天性命炉渇焼症》の赤ん坊でも人ひとり巻き添えに出来るくらいの破壊力がある。
歴史上残る最大の《天灰》は、国を一つまるごと平らにしたと言われている。

《か行》
◆《凪の冷印》
・製品名:カーム・コールド。
使用者の余剰生命エネルギーを吸い上げ、気化させる効能を持つ。
抵抗値が極端に低く、発動する効果も極端に薄く作られている。
そのため、余計に生産されるエネルギーを吸い取りつつ、身体に掛かる負荷も少ない。
結果、魔導回路の回転率を下げ、余剰エネルギーだけを消費させることができる。
つまりは、魔導具の使いすぎで火照ってしまった身体の、熱冷ましをするための魔導具である。
・由来。
【calm:凪、穏やかな、静閑な】【cold:冷たい】

◆カイウス=アルカンスタ
・緑偃都市オーランドに住む十五歳の少年。シアンの幼馴染。
魔導具商人の一人息子。
ガタイが良く、頭が悪い。また素行が悪く、声もデカイ。
しかし一度決めたらまっすぐにやり遂げる心の強さも併せ持つ。
・名前の由来はありません。テキトーです。

◆《海賊曲刀》
・カトラスと読む。
大きく湾曲した刀剣型の魔導具。
詠唱なしで扱うような、かなり貧弱な魔導具である。
どちらかと言えば刃物としての役割のほうが大きい。
ほぼ筋力のみで振るわねばならないため、威力は大したことは無い。
ただし、ガタイの良い男が扱った場合は、その限りではない。

◆《騎士》
・魔導士の護衛を務める従者。契約を交わすことで《結線》し、高い戦力を発揮する。
契約方法は色々あり、作中で扱った血判契約や、経口契約、宣誓契約、詠唱契約など様々な方法が存在する。
契約は複数人とも行えるが、同時に結線すると経路が混線したり、暴走したりとあまり良いことばかりではない。
魔導士には変わり者が多いため、反りが合わないことも多く、あまり複数人での契約例は存在しない。

◆《地を這う鉄輪》(キャリア・ギア)
車両魔導具。魔導具を原動力にして動く乗り物。魔導具式の馬車である。
大きさは大小様々あり、一人乗り用の二輪ギアもあり、大勢が乗れるような六輪ギアなどもある。
馬車は神聖教会によく利用され、魔導士はギアを利用することが多い。
魔導士としての矜持ゆえか、動物に依存することが耐えられない魔導士が多いためである。

◆《落命戦争》
・キリング・デイズ。
《人間爆弾》が普及したことにより大混乱に陥った時代の総称。
戦争とは言われているものの、特定の国と国との戦争という話ではなく、あらゆる国がそれらを使い他国へ攻撃をしていたとされる。
疑心暗鬼に陥った民衆は、極力家に閉じこもり経済は衰退。物資の枯渇などから戦争が続けられない状況になったことで、禁忌魔導具に関する決まり事を制定され、その後五十年掛けて世界は再興したとされている。

◆《人間爆弾》
・キリング・ドール。
爆弾ベビーから着想を得た最悪の魔導兵器。
とある装置を装着させ、意図的に人間を爆弾ベビー化させることが出来る。
この装置の普及により、世界は大混乱に陥った。
現在では所持・製作・輸出入・研究などが全面的に禁止されている。

◆《銅級魔導士》
・クー・リアクター。
・ランク11~40までの魔導士の総称。『近所で有名なちょっと凄腕の魔導士さん』程度の力量だと大体このあたり。
一生修行しても銀級へ到達できない者も少なくない。
・【クー】は銅という意味の【銅:cuprum(ラテン語)、Copper(英語)】あたりから取ってます。大分改造したので分かりづらいかも……。
カッパーとかよりは聞き慣れない響きにしたかったんですよね。
・ちなみに《銅級》への昇格試験には年齢制限はない。力量さえあれば子供でも合格できる。
十代で取得するケースも割と多い。が、十才未満で取得するケースはかなり稀である。

◆《クエスト》
・民間や企業、協会などからの依頼案件。
達成することで報奨金やポイントがもらえる。
簡単なほど報酬は少なく、困難なほど高報酬。
ランクの低い銅級などは報酬だけでは生活が困難なため、兼業で魔導士業をしている者も多い。

◆《映像魔導具》
・グラス・シアター。
・映像(ヴィジョン)を映し出すことの出来る魔導具の一種。
映像が記録された《記録体(メモリ・ゲート)》をセットして使う。
あくまで映像を出力するだけの魔導具であり、撮影にはまた別の魔導具を使う。
・ちなみに名前の由来は、英語で《ガラス造りの映画館》みたいな意味です。

◆《炸裂焼土》(グレネード)
・魔導兵器と呼ばれるものの一つ。
本来の威力は家一軒を粉砕するレベルだが、協会から使用が制限されているのと、詠唱そのものも数分掛かることもあり、普及はしていない。
ただし、簡易版はそれなりに普及していて詠唱も数十秒、威力も6分の1程度まで減衰している。
弾を投げると数秒後に炸裂。裂傷、火傷などを負わせる。
起動器と弾の組み合わせで使う。弾部分が爆発し、起動器は繰り返し利用できる。
弾部分を再利用する際は中に入った魔導石を再装填する必要がある。

◆《劫火のフラム》
・ごうかのふらむ。
・本作のヒロイン、フラムが名乗る二つ名である。ちなみに年齢は十二歳。
緩いウェーブの掛かった金色の長髪と、白い肌にブラッドローズの瞳を持つ絶世の美少女。
自称凄腕の魔導士で、何故か体格に見合わぬ馬鹿力を発揮する。
背は低めで、胸も小さい。
それをとても気にしていて、指摘されると半狂乱になって暴れ出す台風のような性格をしている。
コンプレックスが多いためか、賞賛に弱く、ついでに頭も悪い。
苦手なものはニンジンと虫。
・名前の由来。
毎度毎度の話ですが、今回もテーマは炎に決まっておりまして。(同時に書いてるスカーレット・イリスというお話も炎属性だったりするのです)
炎を意味する【flame(英)】から取りました。
イタリアだかフランスだかの発音ではフラムと言うんだったような気がします。
ゲーム良くやる方はフラム・グレネードとか聞いたことあるんじゃないですかね。
あれです。まんま炎という意味です。超シンプル。そしてクリーン!
それでいてあんまり他の作品でも、人の名前として使われていないという部分もグッドです。

◆《女神の溜息》
・ゴッド・ブレスと読む。
《至高の魔導具》の別称。二つの意味がある。
【god bless:神の祝福】【god breath:神の溜息】
どちらかというと魔導士以外の人間がこちらの表現を好んで遣う傾向がある。

◆仔龍
・フラム曰く、通称ちるどら。
動きは緩慢でもっさりしているが、力は大の大人でも敵わないほどに強靱。
鱗も堅いため大抵の攻撃ではびくともしない。
正直な話、銀級でも厳しい手合いである。

《さ行》
◆《深淵へ至る階》
・製品名:サーチャーズ・アイ
ちなみに【階】と書いて【きざはし】と読む。
有する機能はマッピング。
歩いた地形を記録し、保存する。更には光を放射してプロジェクター的に地図を映し出したりも出来る。
記録は起動している間だけ可能なので、使うならダンジョンに潜る前に起動しておく必要がある。
あと、記録は3次元的に保存され、マッピングする際は表示方式を複数選べたりする。
もちろんフラムはそんなに使いこなしてはいない。

◆《凍れる時の絶対者》(サイレント・タイム)
氷を操る魔導具。
周囲に霧を展開し、霧のある範囲であれば自在に氷を作り出し、永久氷牢に閉じ込めることができる。霧が消えれば温度で溶けるため、厳密には永久ではない。半永久というべきか。
形状は七支刀。儀式剣の一種で、直接的な攻撃力は皆無に等しい。

◆シアン=リーベッド
・緑偃都市オーランドに住む十五歳の少年。青色の髪にまだ低い身長、まだ声変わりをしていない声を持つ。
《魔導士》として、とある欠陥を抱えているため落ちこぼれと言われている。
基本的にマイペースで、本人はそれなりに慌てているつもりでも動揺が人に伝わらないことが多い。
・名前の由来は、色名である【シアン:cyan(青色)】から取りました。分かる人には分かると思いますがCMYKとかのアレです。命名したときに目の前にプリンターがありまして……。
リーベッドのほうはテキトーです。響き重視!
……今思うと、某加速世界の青い人と被りますね。色名っていうのがベタすぎるのかも……。

◆シェルキス=リーベッド。
・字は特になし。
準魔導士。ランクは10。
使用魔導具は、《黙示の条約》(スティレット)。属性は特になし。
得意なのは近距離戦闘。軽い身のこなしで敵の攻撃を躱し、背後から一撃で仕留めるのがいつものスタイル。
苦手なのは遠距離攻撃。投擲武器では投げる度に消費してしまうため、なんだかんだで費用がかさむので、使うことがなかった。
契約はしていない。あくまで猟師。魔導士の資格は生活費の足しにしようとしたときの名残でしかない。結局猟に専念することになったため、手つかずだった。

・1巻時点では名前も決まっていませんでしたが、2巻より登場。
猟師としてはなかなか優秀で、戦力としてもかなり期待ができる逸材。
性格は真面目。頑固なところは子供にもしっかり受け継がれているらしい。

◆城砦都市エルハイム
・オーランドの北西に位置する都市。
堅牢な城壁に守られており、独自の騎士団を保有している。

◆シリア=リーベッド
・本作のサブヒロイン。というか妹。
幼い頃より難病を患っており、時折原因不明の高熱に苛まれる。
調子の良し悪しに波があり、良ければハーブティーなどを煎れて穏やかに過ごしている。
逆に悪いときは、ベッドで横になっている。その時の世話はシアンや父がしてくれている。
シアンと同じ青い髪を長く伸ばしており、病弱なわりに身長はシアンと同じくらいある。背の低いシアンはそれをちょっと羨んでいたりしている。
性格はわりとしっかりしていて、自分のことは自分でやりたがる責任感の強い性格。
しかし、少々頑固なのが玉に瑕だったりする。
・名前の由来。
元々は青い花=ライラック、ということで、リラという名前でした。
が、あまりにしっくりこなくてライラに変更。
結局それもしっくりこなくて、いっそライラックから離れてしまおう、というわけで。シアンの響きを弄ってシリアに辿り着きました。
シリカも候補でしたが、完全に某ソードアートと被ってしまうのでやめました。
川原先生の影響受けすぎだろ自分……。

・準魔導士。ランクは1。
使用魔導具は、《風の指標》(シンフォニー・レコード)。属性は風。
得意なのは、風を操りぶつけることだ。素人向けの簡単な魔導式でもシリアが使えば必殺の一撃になってしまうくらいだ。術式としてきちんと固定しなくても殺傷力を持てるというなんとも非常識なレベル。
苦手なのは、兄と同じく運動全般。長い間病床の身であったため、仕方ないと言えば仕方ないのだが。
そして、自らの力を制御しきれないこと。細かな操作はできず、大雑把に吹き飛ばすのが関の山だ。
契約はまだしていないが、相性を考えると父であるシェルキスが無難だろうか。
遠距離でしか戦えないシアンと近距離でしか戦えないフラムでは、少々癖が強すぎる。
2巻より魔導士になりました。フラム・リミットを発症しているため潜在能力はダントツです。そのかわり、まだ力を制御できていません。

◆《神聖教会》
・魔導士以外の人間を管理する組織の総称。
世界に広く流布していた宗教が起源となっており、今では国家の枠組みを超えた規範の一つとなっている。
政治にも関わるほどの強大な権力を有している筈だが、決して大きな顔をするでもなく、数々の国家を支えている。

◆《風の指標》(シンフォニー・レコード)
・風属性の指揮棒の魔導具。
魔導石は鎖で繋がれたまま袖下などに隠すことができる。起動させ、振ることで風を生み出すことができる。
鎖部分はフラムが改造を施した。更に拡張させれば連結などで威力を増幅することも可能だが、シリアはまだコントロールが不得手なため慣れるまではやらない方向でフラムが育成している。

◆《黙示の条約》(スティレット)
ナイフ型の魔導具。
トドメの一撃を刺すためのナイフだが、シェルキスが長年使い続けた所為か、気のような非物質体を切断する能力も宿している。『命を絶つ』から派生した能力。
また、そこから詠唱中断させる能力も派生しており、使い勝手がかなり良い。

◆《蒼穹の風弓》
・銘:ストームブリンガー
シアンが扱う風属性の弓矢。大きさは中程度の弓矢。折りたたんでリュックの中に入れられる。
シアンがカイウス宅の商店で購入したもの。
矢が風を纏うことで、威力向上、弾速向上、軌道修正、などの能力を付加できる。
シアンは土壇場で足が止まるという体質を持っているため、遠くから射撃することのできる弓矢とはすこぶる相性が良い。
また、本人は気づいていなかったものの、足を止めた状態からの射撃では命中率が極端に高くなる。(これはシアンの体質に依る)
・速度変化
第三話で使った技。風で矢をコーティングし、加速する射的を行う。サクヤの魔導杖を超高速で打ち払った。

◆《演算魔導具》
・スフィアと読む。
複数の魔導具を組み合わせ、高度な演算などを織り交ぜることで複雑な魔導術を発動させられる魔導具。
かなり希少であり、安定的な出力を必要とするため使用する魔導石も純度が高くなくては起動すら覚束ない。
素人にはとても手が出せない代物。
ちなみに使用すること自体が難しいというわけではない。
むしろ従来の魔導具よりも扱い自体は楽な場合が多いという。
【sphere:球形、球体、球面、あるいは天体など】

◆《青嵐のシリア》
・せいらんのしりあ
青髪で風属性のシリアの字(あざな)。
シリアは魔導士名ではないので、厳密な字とはちょっと違う。
《フラム・リミット》を発症しているため、強力な風を呼び寄せることが出来る。

◆《雪月花》
・せつげつかと読む。
これもカタカナのルビを振ってやろうかなとも思ったのですが、日本語の響きが捨てがたくて(というか良い英単語思いつかなくって)やめました。
《氷結咲花》の派生術であり、複数の氷花が相手の周囲で咲き乱れ、惑わし、纏めて、砕き散らせる。
当時のサクヤに使えた最強の魔導術。

◆《至高の魔導具》
・ゼロ・ディメンジョナル・マナ。《女神の溜息(ゴッド・ブレス)》とも呼ばれる。
【zero dimensional mana:0次元の魔導力】
0次元というのは点を指している。なので、エネルギーを体積はおろか面積すら持ち得ないほどに凝縮・圧縮した状態、というのがその名の由来。
その究極的に圧縮された極大的エネルギーは人智を超えた領域での奇跡を起こすと言われている。
どんな願いも叶えられると言われているが、本当にどんな願いでも叶えられるのかというと、実のところ、それは誰にも分からないらしい。

《た行》

◆《トレイン》
・複数の魔物を背後に引き連れて、他人を巻き込んだりする行為。
ダンジョン・クエストなどではマナー違反とされている。とはいえ不可抗力の場合だってあるにはあるので、駆け出しには割と許されてたりもする。
だが、逆に玄人がやったりすると、かなりヒンシュクを買う。

《な行》

《は行》
◆《白寂のミチヤ》
サクヤの父にして、フラムの師匠。
研究熱心で博識なのだが、言動がアレなのであまり頼られてはいないという残念貴族。
人気は意外とあるが、面白いけど困った人という認識をされている。
得意属性は氷系統だが、それ以外の属性も一通りこなせる。
戦いも強いし、知識も多いうえに、地位も高く、手先も器用。
彼が製作した魔導具も数々が世に出ている。
愛用する魔導具は彼の字の一つにもなっている《凍れる時の絶対者》(サイレント・タイム)。

◆《爆弾ベビー》
・とある病により生ける爆弾とかしてしまった赤ちゃんたち。ドラクエのモンスターではない。
病室一つを黒焦げにする破壊力を持つ。それに目を付けたマッド・サイエンティストが兵器として応用し、最悪の時代を生み出すに至る。

◆《氷楔のサクヤ》
・ひょうせつのさくや。
突如オーランドに現れた謎の少女。謎のお嬢様言葉を話す。
フラムと同じくらい頭が悪い。そのうえ思い込みも激しい。
年齢はフラムより一つ下の十一歳。
謎の群青色の和装を身につけており、髪は黒色。魔導杖と呼ばれるタイプの杖を持っています。
これは魔導士の中ではわりとポピュラーな武器です。
フラムとシアンが異端すぎてよく分からないかもしれませんが。
……このあたりは、亘里の構成ミスかもしれません。すみません……。
・由来。
名前はテキトーです。雅な感じを狙ったかもしれません。和風最高。
【氷楔】は、かなり悩んで決めたものです。氷のくさびと書いて氷楔です。
でっかい氷柱みたいな意味です。
お嬢様言葉って時々憧れたりします。でも、ただのお嬢様もつまらんよなぁ。と思ってたらこんなにお馬鹿な子になってしまいました。
あと、正直な話、第三話は書いてて辛かったです。
なんか、コメディ狙ってます! ……みたいな空気をありありと感じてしまって、独り寒さに凍えてました。
色々と反省点の多いキャラなので、第五話で再登場させる予定です。
・以前用語集内で銀髪と書いてましたが、黒髪でした。設定がごっちゃになってました。オニメンゴ!

◆《直結接続》
・ブーストと読む。
魔導具に魔導石を複数搭載し、通過させることで魔導力を濾過し、より密度の高いエネルギーを生み出すことができる。
しかし、暴走の危険性も高まるし、魔導石に掛かる負担も大きくなるので、魔導石の消耗も早くなる。
魔導石を聖遺物扱いする神聖教会からは忌まわしき技術とされ、使用者や制作者に対する風当たりは強かったりする。

◆《殲滅劫火》
・読み方はフラムベルク。
言わずと知れたフラムの代名詞である魔導具。
手足に装着された装身具型の魔導具。グローブっぽい。そこからは鎖が伸び、両手両足を繋いでいる。また腰元に6個の魔導石をセットでき、それらが直結接続(ブースト)されている。
効果は炎を身に纏う能力と身体能力向上。フラムの小さな身体でも馬鹿力が発揮できるようになる。
厳密には炎を操る魔導具なのだが、フラムが使うときは、身に纏うことしか出来ない。それが彼女の抱く欠陥であったりする。
・名前の由来
ファンタジー作品ではおなじみの剣《フラムベルク》から取りました。
中世に現存した剣で、刀身が炎のようにゆらゆらと揺らめくような作りになっています。
この部分が敵に治りにくい傷を与える、というなんとも残忍な武器。
フランベルク、フランベルジュ、フランベルジェなどとも呼ばれる。

◆《氷結咲花》
・フリージアと読む。
詠唱は『大気よ、震え! 空よ、凍り付け! ……お眠りなさい!』
巨大な氷塊を相手の頭上に落とす魔導術。
力の強い者がこの術を使うと、氷塊はより大きくなり、空気中を凍らせながら広がりゆく様はまるで氷で出来た花のようになる。

◆《風花招》(ブリーズ・ブロウ)
・初歩魔導術のひとつ。
微風を発生させる。シリアが使うことで暴風が生まれるが、本来は殺傷能力ゼロの、精々援護ができる程度の魔導術である。

◆《ポイント》
・魔導協会より魔導士に対して付与されるポイント。この値を増やすことにより魔導士のランクが上がり、待遇が良くなったり、昇格試験への資格が与えられたりする。
言い換えるなら経験値のようなもの。基本的に減ることはないし、依頼を果たせば自然に溜まる。
自分の溜めたポイントよりは、報酬として与えられるポイントのほうが注目される機会が多い。
例:「お、この依頼ポイント高いな……」「良くいるのよね-。ポイントに目移りして無茶な依頼受けちゃうやつ」「……おい」

◆《三脚爆弾》
製品名:ボマー・ポッド。
脚付きの爆弾である。
三脚であるため、どんなところでも安定して設置でき、発破出来る。
使い捨ての簡易魔導具。
発破自体は誰でも簡単にできるようになっているが、危険物であるためきちんと扱うのは難しい。
また、値段もそこそこする。
フラムのチョップと同程度の破壊力があるらしい。こう書くと凄いのかショボいのかよく分からん。

《ま行》
◆《マザー・バット》
・レブラス旧坑道に生息していた蝙蝠たちのボス。フラムが個体名をつけた。
他の蝙蝠と比べ10倍近い図体を持つ。
《超音波》によるスタン効果や、《反響定位(エコーロケーション)》による空間認識能力を駆使して攻撃をする。
また、周囲には数え切れないほどの仔蝙蝠を従えているため、非常に危険。

◆《師匠》
・マスターと読む。
フラムが師匠である人物を呼ぶ際に用いる呼称。
サクヤの父親であり、名のある家の当主でもある。
多くの弟子を持ち、その名は諸外国にまで響き渡るという。

◆《魔装具》
・魔導石を取り付けた装身具。その中でも、特殊な加工を施した、汎用型のものを指す。
魔導具とは違い、魔導石に印を刻みつけ、簡易的な魔導回路を作り出している。そのため、誰にでも簡単に魔導石の恩恵を与えることができる。
その代わり、出力が小さい、技師が印を刻みつけないと効力を発揮できないなどの欠点がある。

◆《魔導協会》
魔導士の管理を一手に引き受ける組織の総称。
国家を問わず、全世界で魔導士を管理している。
魔導士には通常の法律ではなく、魔導協会の定めた独自の法律が適用される。
そのため、魔導士の行った犯罪は、基本的に一般人よりも厳しく処罰されることが多い。
しかし魔導士同士の諍いの場合は、干渉しないことがほとんどである。
『協会』と呼称した場合、神聖教会と魔導協会を誤認してしまうことが多いため、あまり略されない。
〔オーランド支部〕
サロン、ギルドなどがある。
ギルドでは依頼の申請、受諾、報告が出来、報酬もここで支払われる。
サロンでは多くの魔導士たちが語り合い、情報共有の場として利用されている。ただし、あまりにも大声で騒ぐのはNGであり、締め出される場合もある。飲食自由、私語自由、暴力厳禁。諍いそのものは止めないが、諍いの元になるような行為や直接的な暴力行為には厳しい。あと外でやる分なら喧嘩上等というルールになっている。

◆《魔導具》
・人間に《魔導術》の行使を可能にさせる器具のこと。
人間の体内に流れるエネルギーである《気》を、《魔導具》内の《魔導石》という部分を通過させることで、他のエネルギーに変化させることが出来る。
こうして生み出されたエネルギーを使役して《術》を生み出すことが《魔導術》であり、それを扱う人間を《魔導士》と呼ぶ。

◆魔導鉱石
・魔導石を精製するうえで、その原料となる鉱石。
魔導石と比べると純度が低く、そのままでは魔導石としては使うことが出来ない。
純度が高ければ高いほど高値で取引される。

◆《魔導士》
・魔導具を扱う人間のこと。リアクターとも読む。
魔導具を使用するには資格が必要なため、資格保持者のことを魔導士と呼ぶ場合も多い。
厳密には、簡易魔導具と呼ばれるものだけは資格なしでも扱うことが出来る。
それ以外の魔導具を扱うには《魔導証石(リアクター・ライセンス)》が必要になる。(違反者は罰せられる)
ランク分けがされており、ランクが高いほど多くの経験を持っていると見なされ、報酬などが多くもらえたりする。
・語源。リアクターは原子炉という意味です。【reactor:原子炉。または核融合炉】
人は自らの身体をエネルギーを生み出す動力炉と化す。というわけで決まりました。
・ついでに思い出したんですが、この単語は、初音ミクprojectDIVAに出てくるリアクターというモジュール(衣装)から拝借しました。

◆魔導石
・主に魔導具に使用されている青色透明の結晶体。
この部分に生命エネルギーが照射されると魔導エネルギーに変換される。
消耗品であり、寿命が尽きると粉々に砕ける。
なので、一般的な魔導士は予備のために複数所持していることが多い。
ちなみに神聖教会では、聖遺物扱いされているため、魔導石を無益に消耗することは罪深いことと見なされている。
消費すること自体は悪ではなく、あくまで使いすぎることが悪である、ということらしい。

◆魔物
・ダンジョンなどに巣くう生き物の総称。
近年の研究で魔導石を体内に取り込んだ野生動物の成れの果てと言われている。
狩人たちの間では、魔導石の匂いに引きつけられる習性があると考えられている。
個体により変化は様々だが、より大きく、強靱な肉体を得ることが多い。
・人間の身体でも同様のことが起こる可能性があるらしいが、人体実験は魔導協会が堅く禁じているため真相は定かではない。

◆《命炉渇焼症》
・めいろかっしょうしょう。
体内の生命エネルギーを生産する部位、《命炉》の加減速機能が効かなくなった状態を指す。
この状態になると、無尽蔵に《気》が生産されてしまうため、処理しきれなくなった余剰エネルギーが暴走を始めてしまう。
大体の人間は高熱を宿し具合が悪くなる程度で収まる。
・《先天性命炉渇焼症》
またの名を《-flame limit-》。
生まれもっての特異体質。
命炉の加速度制限部、《命核》が正常ではないため、常に《気》を生産し続けてしまう。
生産され続けた《気》は体内に滞在し、高熱を生み出す。
多くの場合、生まれてすぐに耐えきれなくなって死に至る。
またその際に小規模ではあるが《天灰》を引き起こす。その際に子を抱いた母を巻き添えにすることが多い。
《天灰》を起こさなかった個体は、回路を空転させることでその状態をやり過ごしているらしい。
そこで《気》を気化・発散させることで回転が再開してしまったとしてもある程度は耐えられるくらいに《気》を消耗させていると見られている。
ただし、回路を空転させることも、《気》を昇華させることも、膨大な《気》を体内で溜め込むことも、それぞれ特殊な才能が必要であるため、この体質を持って生き残っている個体はかなり少ない。
そのため、医療的にも研究が進んでおらず、症例を知る医師も少ない。

《や行》
◆ユキナ=シキジョウ
・とある貴族のご令嬢。
お嬢様言葉を使いこなし、貴族らしさを追求する少女。
極東の民族衣装を身に纏う黒髪の出で立ち。
魔導士としての才覚に優れ、多くの期待を浴びて育つ。
母は他界してい久しいが、父のことは大好き。
一人っ子で、父の弟子にも可愛がられて育ったため、ちょっと自己中で嫉妬深いところもある。

《ら行》
◆《妖精のおまじない》
・製品名:ライト・フェアリー。
照明魔導具の一種で、丸い球体のボディに魔導石を放り込み、起動するとやんわりと明かりを放つ。
大小さまざまなサイズが展開されており、大きさにより消費するエネルギー量も変わり、明るさも変化する。
大きい方がより明るく輝く。そしてもちろん値も張る。
シアンが持っていたのは中くらいのサイズ。持ち運ぶうえではこれが丁度良いサイズである。
小サイズだと暗いし、大サイズだと邪魔。
ちなみにシアンの私物ではなく、シアン家の共有財産である。
シアンパパは狩人なのでほとんど明かりを持ち歩かず、シアンと狩りに出掛けるときだけ、使用していた。

◆《ランク》
・魔導士の力量を大雑把に示す値。
一~一〇。《準魔導士》:いわゆるアマチュアである。
一一~四〇。《銅級魔導士》:一般的な魔導士。シアンやその父が大体このあたりである。
四一~七〇。《銀級魔導士》:凄腕の魔導士。フラムはここに属する。
七一~。《金級魔導士》:魔導士の頂点。頂上決戦の資格を有する。
ちなみに上限は設けられておらず、一〇〇を超える魔導士もいるとかいないとか……。

◆《魔導証石》
・リアクター・ライセンスと読む。
丸い石に身につけるための紐が括られている。大抵は首に掛けていたりする。
銅級以上の魔導士に与えられる証石で、魔導具でもある。
魔導士のランクやポイント数などが保存され、身分証の代わりにもなったりする。
また、契約する際の魔方陣を描き出す機能なども搭載されており、人が魔導士として活動するうえで欲しい機能は大体揃っているらしい。
無骨に見えて意外と便利。
あと、縁の板金の色で魔導士のランクが分かるようになっている。
ちなみに、《魔導証石》は、魔導協会にとって、魔導士を識別するための大事なツールであるため、改造などをすると重罪として厳しく処罰される。

◆《結線》
・リンクと読む。
契約した魔導士同士を同一回路上に乗せることで、結線相手の所持する魔導具を使役することが可能になる術式。
また、高度な技術も必要なく、複数の魔導具を同時に発動させることが出来るため、大幅な戦力増強が計れる。
一流魔導士とは、結線を極めたものの称号である、とさえ言われている。

◆《結線開始》
・リンク・オンと読む。
結線するための文言。必ずしも必要というわけではないが、互いの意思確認や、術式の確実な発動のためにも、よく発音される。
詠唱破棄も一応可能。

◆緑偃都市オーランド
・《緑偃都市》は《りょくえんとし》と読む。シアンの故郷。元は市壁に囲まれた円形の都市だったが、今では人口の増加に伴い居住区が市壁からはみ出している。
中央には巨大な神木である、神樹オーラニアがそびえており、街の主要設備は神聖区に集中している。シアンの通う学校などもここにある。
その周辺を囲うようにして商業区が栄えている。カイウス宅はここにある。地価が高騰しているため、狭いエリアに様々な店がごった返している場合が多い。
その周りが居住区。市壁の内外で地価が大きく変わり、以前は外側に住んでいる人間を差別するような風習もあった。
街の中央を縦横に突っ切るメインストリートがあり、中央には広場があり、神木広場(しんぼくひろば)と呼ばれている。神木と親睦を掛けているらしいのは内緒。内緒ったら内緒だ。
・名前の由来。真ん中に木があるならメインカラーは緑かー。丸いなら丸を意味する言葉からテキトーに偃で。あとはベタな感じでオーランドとかどうよ?
……みたいな感じです。

◆《煉獄死蝶》
・ルージュ・ブラッドと読む。
照明魔導具の一種で、赤黒い蝶々を数羽(型番により数は異なる)生み出し、使役者の周囲を漂わせる。
蝶々は周囲を薄暗い光で僅かに照らし上げるため、照明でありながら隠密性が高く(もちろん全く気づかれないというわけでもないが)、玄人に人気がある。
また、玄人っぽさが滲み出るため、駆け出しの素人やかっこつけ(いわゆる中二)にも人気がある。
消費するエネルギーが少なめなのも密かなメリットである。
ちなみにちょっとだけ武器っぽい名前ですが、殺傷力は全くありません。
・由来。
ルージュは口紅だし、ブラッドは血です。
かなりテキトーです。むしろテケトーです。

◆レブラス旧坑道
・オーランドから数時間歩くと辿り着ける坑道跡地である。
随分と昔に魔導鉱石の発掘が打ち切られ、荒廃した土地となっていた。
だが、近年の魔物=魔導石を取り込んだ野生動物という観点から、魔物の生息が確認されたこの坑道内には、まだ見つかっていない魔導鉱石があるのではないかと噂されるようになった。
そして調査開始から一年ほどして、未発見の空間が見つかり、大量の魔物と一緒に魔導鉱石が発見されたのがちょうど物語冒頭くらいに起こっていた出来事である。
蝙蝠や仔龍、ムカデなどが生息している。
地盤もそこそこ安定はしているものの、坑道跡なので崩落する可能性は少なからずある。フラムのように大暴れするのは絶対に厳禁。
・由来。
レブラス。なんとなくでつけました。

◆《旅の栞》
・製品名:ログ・ストック。
演算魔導具の一種。
鍵盤部分に文字を打ち込むと表示部に文字が浮かび上がり、それを保存したり紙に出力したり出来る。
また、携帯性を高めるため、自ら浮かび上がる機能も有する。
いわゆるワープロである。

《わ行》